僧帽弁閉鎖不全症
粘液腫様変性による僧帽弁閉鎖不全症(以下MR)は小型犬に頻発する心疾患であり,我々日本の獣医師が日常で最も多く遭遇する疾患の一つである。MRは基本的に外科疾患であり,進行性のMRの場合比較的早期から手術による治療が検討される。
僧帽弁形成術術前

僧帽弁形成術前の心臓超音波画像(右傍胸骨長軸四腔断面像)。Carpentier's functional classification typeⅡの特徴である弁尖の逸脱が前尖・後尖共に見られる。またカラードプラ画像では重度の僧帽弁逆流がみられる。
術中写真

粘液腫様変性による弁の肥厚を来した僧帽弁前尖が確認できる。腱索再建術にて弁尖と乳頭筋をePTFE縫合糸で結紮する。
僧帽弁形成術術後

弁尖の位置が正常化し,前尖・後尖の良好な接合が得られたことで逆流が消失している。
