外科

外科

診療内容・特色

CTやMRI、超音波検査などの画像診断により局所病変と全身状態の評価をし、必要に応じて生検(細胞診、組織検査)を行い、的確な診断を基に外科的治療を実施しております。

最新の医療機器・技術を取り入れ、より精度の高い治療を目指しております。また非侵襲的治療であるインターヴェンショナルラジオロジー(IVR)についても積極的に取り組んでおります。

代表症例

会陰ヘルニア

会陰ヘルニアは、骨盤隔膜(会陰部の筋肉の壁)が萎縮とともに筋肉の結合が破綻し、これによって生じたヘルニア孔より、直腸や膀胱、前立腺などの腹腔内臓器が脱出します。会陰部腫大を呈する疾患としてしばしば遭遇し、中年齢以降の未去勢雄犬に好発します。
また、排便困難や状況によっては排尿困難引き起こし、これらの病状は進行性に悪化します。さらに放置すれば直腸穿孔や急性腎障害を発症し、致命的な状態に陥る可能性があります。
治療は、外科手術によって、脱出した臓器を解剖学的に正常な位置に整復し、骨盤隔膜を再建します。あわせて精巣摘出術(いわゆる去勢術)も実施も推奨されています。会陰ヘルニアは術後の再発率が比較的高く、治療成績向上のためさまざまな術式が提唱されています。

術前写真

術前写真

写真は、会陰ヘルニア症例の術前写真です。会陰部が著しく膨隆、肛門は左尾側に変位しています。会陰部膨隆部には拡張・蛇行してヘルニア嚢に脱出した直腸でした。会陰ヘルニアは両側性に確認されました。

術中写真

術中写真

本症例では、開腹して脱出した直腸を整復して、結腸(大腸)を縫合糸で固定し、骨盤隔膜の再建にはポリプロピレンメッシュを用いました。
当院では、ポリプロピレンメッシュを用いた整復の他、骨盤隔膜を構成する筋肉を縫縮する基本法、内閉鎖筋などの筋肉転位術を実施しています。

術後写真

術後写真

左:手術終了時
右:術後1ヶ月

肝細胞癌

肝細胞癌は犬の肝臓原発腫瘍の半数以上を占めます。肝細胞癌にはいくつか型がありますが、単一の孤立性腫瘤の場合、肝臓に対する手術リスクは低くはありませんが、手術可能であれば、外科的切除により最も良好な予後が期待されます。

術前後写真

術前後写真

左:摘出前
右:摘出後

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当院で対応できない症例もございますが、その場合は、様々な分野の専門医や大学病院と協力し、特殊な検査・治療・手術にも対応できるよう努めております。その際必要に応じ、当院から他施設へ紹介となることをご容認下さい。

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